ピラティススタジオの料金プランは大きく「月4〜8回の回数制」と「通い放題」に分かれます。通い放題は魅力的に見えます。でも、実際に元が取れるかは通う頻度次第です。
損益分岐点の計算方法
計算はシンプル。分岐点は「通い放題の月額 ÷ 回数制プランの1回あたり単価」。たとえば月4回プランが12,000円(1回3,000円)、通い放題が16,000円のスタジオなら、16,000 ÷ 3,000 ≒ 5.3回。月6回以上通えるなら、通い放題が得。
実際のブランドで計算すると、分岐点は月2.2回から月11.4回まで散らばる
この計算を、公式サイトに月3〜4回の回数制プランと通い放題の両方を載せているブランドに当てはめました。結果は一様ではありません。週1回強で元が取れるブランドから、週3回通わないと損になるブランドまで、同じ「通い放題」という名前の中に2〜3倍の開きがあります。対象は12ブランドです。
| ブランド | 回数制の1回あたり | 通い放題の月額 | 分岐点 |
|---|---|---|---|
| スタジオトゥーユー | 6,000円 | 13,000円 | 月2.2回 |
| ピラティスK | 2,805円 | 12,320円 | 月4.4回 |
| ツースリー | 3,300円 | 15,400円 | 月4.7回 |
| ザ シルク | 3,593円 | 17,780円 | 月4.9回 |
| ソエルスタジオ | 2,470円 | 13,178円 | 月5.3回 |
| アーバンクラシックピラティス | 2,145円 | 12,980円 | 月6.1回 |
| リントスル | 2,200円 | 13,800円 | 月6.3回 |
| ピラティスミーライフ | 3,700円 | 24,600円 | 月6.6回 |
| ピラティスミー | 4,950円 | 37,500円 | 月7.6回 |
| ヤード | 2,420円 | 18,480円 | 月7.6回 |
| エレメント | 5,500円 | 55,000円 | 月10回 |
| クラブピラティス | 3,273円 | 37,290円 | 月11.4回 |
この表は公式サイト掲載のプラン月額から毎回のビルド時に計算しているので、料金改定を検知すると自動で追従します。施設維持費などの毎月の必須固定費は、どちらのプランでも同額かかるため計算から外しました。回数制は月3〜4回のうち最も安いプラン、通い放題は複数ある場合は最も安いプランを使っています。
表の下のほうが示しているのは、通い放題が常に「たくさん通う人向けの割安プラン」ではないということです。分岐点が最も高いクラブピラティスは月11.4回、つまり週3回近く通って初めて回数制を下回ります。週1〜2回のつもりなら、回数制のほうが素直に安く済みます。
分岐点は「何と比べるか」で動く
同じブランドでも答えが変わります。pilates Kを月4回プランと比べた分岐点は月4.4回ですが、1回あたりが安い月8回プラン(1回1,884円)と比べると月6.5回まで上がります。回数の多いプランは1回あたりが下がるので、通い放題が有利になるハードルもそのぶん高くなる。分母に置くべきは、通い放題をやめたときに自分が実際に選ぶプランです。
予約が取れなければ、分岐点の計算は意味を失う
通い放題の弱点は計算式の外にあります。同時に持てる予約の本数に上限を設けているブランドがあり、上限2本だったのはエレメント・ピラティスミラー・パーソナルマシンピラティスサクラ、最も多いパーソナルマシンピラティスYUZUが8本でした。上限が2本なら、月12回通うには「1回終わるたびに次を入れる」運用を続けることになります。人気の時間帯が埋まっていれば、そのぶん実際の回数は落ちます。
つまり分岐点は、条件つきの目標にすぎません。体験のときに、通いたい曜日と時間帯の枠がどれくらい埋まっているかを見せてもらうと、この目標が現実的かどうかの見当がつきます。
休会できるかどうかで、年間の総額が変わる
通い放題を選ぶなら、休会制度の有無も見ておく価値があります。出張や繁忙期で通えない月に、契約を止められるか。1ヶ月止められるだけで、通い放題1回ぶんの月額がそのまま残ります。休会の可否と手数料はブランドごとに違い、公式サイトに記載を見つけられないブランドもありました。分岐点の計算と同じくらい、年間の出費を左右する条件です。
続けられるかを先に確かめる
- 最初の月から通い放題にせず、まず回数制で生活リズムに組み込めるか確認する
- 予約の取りやすさを体験時に確認する(通い放題でも予約が取れなければ意味がない)
- 自宅・職場から徒歩10分圏内など、通う障壁が小さい立地を選ぶ
通い放題が得になるかどうかは、月に何回行けるかという1点で決まります。回数制との差額を実際に通える回数で割り、1回あたりの単価が下がるなら得。この計算は候補が2〜3店に絞れてからで間に合います。



